研究課題/領域番号 |
21K20239
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
高橋 舞 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 助手 (50907128)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 博物館教育 / 学芸員 / 市民性教育 / 生涯学習 / ESD (持続可能な開発のための教育) |
研究実績の概要 |
本研究では、日本の学芸員養成課程で養成しておくべき教育普及活動に関する資質・能力を明らかにする。そのために令和3年度は次のことを行った。 ①学芸員を対象にした半構造化インタビュー調査実施のための質問項目の作成にあたった。②調査対象館を選定するために全国博物館(5,738館)の属性分類を作成した。 ①についての手順は次のとおりである。 博物館学芸員養成課程の実態を把握して根拠データとした。博物館学芸員養成課程を設置している297の大学が公表しているシラバスをデータソースとし、項目の抽出と数量化を開始した。このうち本年度は国立(28校)、公立(22校)、私立(25校)、公立短期大学(1校)、私立短期大学(5校)を対象とした。(全体の3割) シラバスの内容から次の21項目を抽出しデータマトリックスとした。大学名、科目名、講義題目、科目種別、担当者、専門、専任・非常勤、単位数、授業の概要、到達目標、授業内容、授業形態、大学博物館の有無、履修上の注意、準備学習、教科書、参考書、成績評価の方法、その他、備考に記載されている情報 また、日本の学芸員教育、特に、博物館教育に貢献できる人材の育成が急ぎ求められている現代的要求に対応するためには、全国一律に同じ内容では限界があること、大学の専門をもっと活かすような学芸員教育が必要であること、その大学の特徴を生かせるような特色ある教育を考えてゆく必要があること、大学の立地条件(都道府県、博物館数、人口)、大学規模、学生環境が学芸員養成と関係しているのではないかといった問題、課題を提起することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学芸員養成課程で涵養するべく教育普及活動に関する資質、能力とは何かを科学的に解明するための根幹をなすデータ収集の準備に時間を費やした。①対象者(博物館学芸員、それに関わる業務従事者)のサンプリングを行うために博物館統計資料を用いて分析を重ね、その様相を観察した。②調査項目を作成するために、博物館養成課程が設置されている全国大学等の3割を対象としてシラバス(博物館教育論ほか対照として博物館資料保存論、博物館実習)の記載情報を分析してその実態を把握した。
これらのことにより本研究の調査を今後順調に進めてゆくための基礎データを蓄積できた。
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今後の研究の推進方策 |
引きつづき、各大学等がインターネットサイトで公表しているシラバスからデータを収集(補充)し、データマトリックスを完成させる。これにより、学芸員を対象とした調査項目を作成して、それに基づく調査を実施してゆく。最終年度にあたっては研究計画に従って進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により現地調査実施が難しく、旅費と現地調査に関わる備品費の必要がなかったため。しかし、現地調査に代わる情報収集ができている。
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