本研究は乳幼児期の保育・教育において子どもが接する具体的な規範の内容やその背景に関して、保育者の考え方の傾向や要因とともに、保育者間での共有のあり方について検討することを目的とした。個人およびグループへの面接調査の結果、子どもの実態だけでなく既にある環境や園としての理念および他の保育者の考え、そして園外社会の状況が相互に関連しながら判断につながっていること、さらにそれらを共有する機会の必要性が示唆された。また質問紙調査の結果、保育者個人の判断の傾向の相違がきまりの多さの認識と関連している可能性や、判断の難しい遊びである戦いごっこについて子ども間の関係性が重視されている可能性が示唆された。
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