本研究では,反対事例を導入した科学的追究を核とする探究のプロセスを提案し,このプロセスが学習者の批判的思考態度や知識理解の水準に与える影響を調査した。 前者については,文部科学省が探究の過程のイメージを例示しているが,そのアプローチとは異なる探究のプロセスを示したことは,小・中学校理科における教育実践の幅を広げると期待される。 また,後者については,批判的思考態度の育成に課題が残っているものの,反対事例を導入した探究活動により知識の理解を向上させることが示された。この知見は,理科の教育実践において,より効果的な探究活動を模索するための指針になると考えられる。
|