研究課題
研究活動スタート支援
多くの人がやっている行動に「つられて」行動する背景には、記述的規範の影響が想定されている。記述的規範が人間のさまざまな社会的行動に影響を及ぼすことは明らかであったが、その基礎的な性質についてはそれほど明確でなかった。本研究では、新たに開発した心理尺度を用いて、「何%の他者がいる」ことが規範としての影響を生じさせるのか、また記述的規範の影響の受けやすさの個人差を測定することができるのかについて検討した。おおむねそれらの目的は達成され、心理尺度が閾値の推定と個人差の測定に役立つことがわかった。
社会心理学
多くの他者がやっている行動に「つられて」しまうという社会的な現象について、その基礎的な性質を明らかにすることができたことに意義がある。本研究で開発した心理尺度は、記述的規範の閾値を明らかにするだけでなく、記述的規範への感受性の個人差を測定するうえでも役に立つ。また、この心理尺度は、記述的規範の影響を受けやすい人、受けにくい人、それぞれへの有効な行動変容のはたらきかけのための技術を開発する基礎的な材料になることが期待される。