研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、雲仙火山の有史時代噴火の噴出物中の集斑晶の分析により、高結晶量マグマだまりの数百年スケールでの温度・化学組成変化を明らかにした。また,マグマだまり内には高温マグマの貫入などにより,一時的に温度化学組成不均質が生じることを解明し,この高温領域が噴火の開始条件や噴火様式に影響を及ぼしうることを示した。また、研究を進めるなかで、電子顕微鏡による鉱物中の微量元素組成の分析手法を提案した.
火山岩石学
本研究の成果は,火山噴火の発生および推移予測に対して大きく貢献する.本研究で明らかになったマグマだまり内部の不均質および噴火へもたらす影響は、火山噴火の発生と推移をモデル化する上で,重要な手がかりとなる.さらに,本研究で得られたマグマだまり内部の温度・化学組成の時間変化は,今後,過去の噴火の噴出物を使って将来のマグマだまり条件を推定し,発生しうる噴火を予測するための指標となりうる.