本研究では、線維化に対する新たな治療標的因子として線維芽細胞増殖因子23 (FGF23) に着目した。 四塩化炭素誘発性の肝線維症モデルマウスにおいて、血清中のFGF23が増加することを見出し、肝線維化とFGF23の関連があることを見出した。また、肝線維化は肝星細胞からのコラーゲン産生により進行することから、肝星細胞にFGF23を処置したところ、細胞外マトリクスの構築を促進するマトリソームの産生が増加することが明らかとなった。最後に、FGF23シグナルを阻害するため、FGF受容体阻害薬を肝線維症モデルマウスに投与したところ、肝臓線維化と肝機能の障害が有意に抑制された。
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