犬悪性黒色腫は極めて転移性が高く、効果的な全身療法がないため、外科手術で病変を切除しても、その後、転移し、予後は1年未満と短いことから、新たな全身療法の確立が求められている。本研究では犬悪性黒色腫の新たな転移機構として、PDPN-Rho-ROCKを同定し、その詳細なシグナル機構を解明した。さらに、犬悪性黒色腫細胞株において、PDPN-Rho-ROCKシグナルを阻害することで、転移能を低下させることができることを明らかにした。したがって、犬悪性黒色腫において、PDPN-Rho-ROCKシグナルの阻害薬が新たな全身療法の確立に有用である可能性を示した。
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