研究課題
研究活動スタート支援
心臓特異的GPx4欠損マウスに低ビタミン添加食を与える心不全モデルマウスにおいて、抗生剤を投与することで心不全を抑制できるが、この抑制効果には少量のビタミンEが必要であることが明らかとなった。また、餌に少量のビタミンEを含んだ心不全マウス(生存する)と餌に全くビタミンEを含んでいない心不全マウス(死亡する)の盲腸内容物・心臓・血漿のノンターゲットリピドミクスを行い、生存するマウスで多く存在するものを解析することで、この心不全を抑制する可能性のある候補代謝物を複数見出した。
脂質生化学
心不全は日本における主な死因の一つとして知られ、特にスポーツ選手などで見られる過度な運動時に急に生じる心不全は原因が明らかになっていない。脂質酸化依存的な細胞死はこの急性心不全に関与するとも言われ、本研究で用いた心臓特異的GPx4欠損マウスに低ビタミンE添加食を食べさせる心不全モデルは、心不全の分子メカニズムを明らかにできる可能性がある。今回見出した、腸内細菌や腸内細菌由来の心不全を抑制する可能性のある代謝物群は、心不全の予防薬となる可能性があり、社会的意義は大きい。