現在、炎症シグナルの原因となる終末糖化産物(AGEs)に注目が集まっている。糖尿病発症原因の1つであるインスリン抵抗性は、脂肪組織における慢性炎症が惹起すると考えられている。本研究では抗炎症作用を持つことが知られているヒノキチオールを配位子に有し、インスリン様作用、血糖降下作用が報告されている亜鉛ヒノキチオール錯体が、AGEsの生成を抑制し、過剰なAGEs蓄積を防ぐことでインスリン抵抗性および糖尿病発症予防につながるのではないかと考え、そのAGEsの生成抑制効果を評価した。 検討した亜鉛錯体のうち、トロポノイド骨格を持つ亜鉛錯体は強い糖化抑制反応およびペントシジン生成抑制効果を示した。
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