HPV関連中咽頭癌(HPV-OPC)では他の頭頸部癌と同様に抗上皮成長因子受容体(EGFR)薬であるセツキシマブ(EGFRモノクローナル抗体)が化学療法に使用されるが、これまでセツキシマブの治療効果予測因子として臨床的に確立されたものはない。HPV-OPCではセツキシマブの効果が乏しい症例も多く、治療薬の選択法を確立する必要があった。HPV-OPCではEGFR蛋白発現は低下傾向があり、更にウイルスゲノムやpromoter領域のメチル化に関連がみられた。これらを更に解明していくことで抗EGFR薬の治療効果予測因子や、HPV-OPC独自の治療法の重要なデータを提供することが可能となると考える。
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