心筋細胞に伸展刺激を加えると直ちに伸展誘発性にROSが産生される。本研究により、我々はSGLT2阻害薬のエンパグリフロジンがこの現象を抑制することを明らかにした。SGLT2は心臓には発現しないことから、この現象にSGLTファミリーの一つであるSMIT1が関与していると考え、ミオイノシトールによるSMIT1刺激を行ったところ、伸展誘発性ROSと同様にエンパグリフロジンで抑制されるROS産生現象を確認した。これらの結果により、SGLT2阻害薬はSMIT1の活性を阻害することで急性伸展誘発性ROS産生を抑制していることが明らかとなった。
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