研究課題/領域番号 |
21K20942
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 向生 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10907801)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
キーワード | Runx2 / 軟骨細胞 / 変形性関節症 / 2型コラーゲン |
研究成果の概要 |
変形性関節症(OA)の根幹をなすのが軟骨を変性であり、そのシグナルの一つに軟骨内骨化が挙げられる。軟骨内骨化の中心に位置するのが転写因子Runx2である。本研究では、Runx2を成長後に軟骨細胞特異的に中等度ノックアウト(40%)したマウスではマトリックスメタロペプチダーゼ13(Mmp13)発現が低下してOAが抑制された。一方でRunx2を強くノックアウト(80%)したマウスではOAが加速しII型コラーゲン(Col2a1)発現が低下するという二相性の表現型が示された。総合的な転写解析の結果、炎症反応下でRunx2はイントロン6エンハンサーを介してCol2a1の発現を維持することが示された。
|
自由記述の分野 |
整形外科
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性関節症は中高年の関節痛の最大の原因であり、疫学調査では膝関節だけで国内に 2,530 万人の患者がいると報告されていた。関節軟骨細胞は血流からの豊富な栄養が届きにくい環境で、2 型コラーゲンなどの軟骨を構成するタンパクを作って軟骨組織を維持している。これまでの研究では、Runx2は成体の関節軟骨においては 2 型コラーゲンを分解する MMP-13という酵素を誘導し、軟骨破壊を促進してしまうことが知られていた。本成果は、Runx2 にも炎症反応下で2 型コラーゲンを誘導するという隠れた関節保護作用があることを示し、病態解明のみならず、新たな治療法開発に繋がることが期待される。
|