これまでの各種予備実験により,EGFを持続的に徐放するキャリアーとして多孔性シリカが有効であることが明らかになった.また,粉末および可塑剤,上皮と銀系無機抗菌剤の添加量等の最適な成分組成を検討中であり,初動流動性・硬化進行中の動的粘弾的性質,硬化後の動的粘弾的性質とその経時的変化,溶出成分の定性・定量解析等の理工学的評価を行い,抗菌性と創傷治癒能を兼ね備えたティッシュコンディショナーの開発を検討するにあたり有用な結果が得られた.並行してヒト歯肉線維芽細胞を使用した細胞実験も開始し,今後はさらに試作ティッシュコンディショナーの生体親和性解析,粘膜治癒促進能ならびに抗菌性の評価を進める予定である.
|