閉経後の女性は、女性ホルモンの欠乏により骨密度が低下する一方、味覚嗜好性にも変化を生じることが報告されている。味覚は、生理的な栄養・ミネラル需要を反映した摂食行動の調節に重要な役割を果たしており、閉経後の骨カルシウム代謝の異常が末梢の味覚器におけるミネラルやイオンセンシングの変調をきたすことが予想される。本研究では、閉経後骨粗鬆症 (卵巣摘出(OVX)による骨量減少)モデルマウスを用いて、味覚嗜好性および味蕾の遺伝子発現変化を解析した。OVXマウスは味覚器におけるカルシウムおよび骨代謝関連遺伝子の発現が上昇すること、またカルシウム味に対する細胞応答が亢進し、忌避性が増強する可能性が示唆された。
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