骨芽細胞においては、分化誘導実験においてFlrt2の発現低下を認めた。腫瘍組織検体を用いたRNAシーケンスでは、脈管浸潤を示すグループで発現に変化を認めた遺伝子の解析から、FLRT2の有意な発現増加が見られた。数種の口腔扁平上皮癌細胞株内における発現を再検した結果、細胞株ごとに大きく発現、分泌型タンパク質が異なっていた。骨芽細胞株MC3T3E1及び癌細胞株SKN3にFLRT2を過剰発現させた結果、骨芽細胞では増殖および分化の減少を、癌細胞では増殖の亢進を認めた。以上の結果から、FLRT2は破骨細胞では促進的に、骨芽細胞では抑制的に作用することが示され、癌細胞では増殖に寄与することが示された。
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