本研究では、学童後期時代に阪神・淡路大震災で被災した人々を対象に、他者に震災体験を語った経験の実態と今後他者に震災体験を語る意思について、オンライン無記名自記式質問紙を用いて調査し、兵庫県内外の462名から回答を得た。 震災から1年以内に震災を経験した同世代の人々に震災体験を話したことが自分にとって良かったと感じている傾向があることが明らかになった。一方、今後震災体験を共有しても良いと思う相手も震災を経験した同世代の人々で、専門職との共有のニーズは低い傾向にあった。震災体験を語らない理由は多様だったが、自分より被害の大きかった人たちへの配慮として語らないようにしていたという傾向が見いだされた。
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