本研究は、血液透析患者が今後の自分自身についての予測、つまり見通しをどのようにしてもつのかそのプロセスを質的記述的に明らかとすることを目的とした。6名の血液透析患者に半構造化面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析を行った。結果、3つのカテゴリーと13の概念が生成された。血液透析患者は、不安定な未来を見通さざるを得ない状況にありながらも、透析治療を受けることを容認し、“今”に集中することで、自分自身の身体の実感や血液データを頼りにトライアンドエラーを繰り返しながら小さな見通しを積み重ねていたことが明らかとなった。
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