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2021 年度 実施状況報告書

筋骨格システムを制御する腱・靱帯のメカノバイオロジー機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21KK0161
研究機関広島大学

研究代表者

宿南 知佐  広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60303905)

研究分担者 樋口 真之輔  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (20847131)
濱田 充子  広島大学, 病院(歯), 助教 (30760318)
高橋 治子  広島大学, 統合生命科学研究科(理), 助教 (70775767)
研究期間 (年度) 2021-10-07 – 2026-03-31
キーワードTenomodulin / Scleraxis / メカノバイオロジー / 腱・靱帯 / 顎関節
研究実績の概要

新規の伸展刺激応答性エレメントを同定するために、マウスScx遺伝子とTnmd遺伝子の上流と下流を含むゲノム領域を分割し、minimal promoterを有するpGL4.23ベクター、あるいは、promoterlessのpGL4.10ベクターに組み込んでDual luciferase assayに用いるreporter vectorの構築を行った。TnmdCre KI;RosaTomatoマウスやScxCre KI;RosaTomatoマウスを用いて、生後の筋・骨・軟骨・腱・靱帯組織におけるTnmdとScxの系譜解析を行った。また、ScxGFP iPSCによる腱細胞分化誘導系を用いたシングルセル解析を行い、未分化な間葉系前駆細胞にAldh1a2が発現している点に着目し、腱細胞分化に対するレチノイン酸の役割を調べたところ、レチノイン酸が、腱細胞、線維軟骨細胞及び硝子軟骨細胞の分化を抑制することが明らかになった。腱形成の過程では、より未分化な細胞がScxを発現し、分化に伴って、ScxとTnmdが発現し、より成熟するとTnmdのみを発現することがわかっているが、ScxGFP iPSCによる腱細胞分化誘導過程においても、同様の遺伝子発現パターンを示していた。更に、Scx欠失マウスの顎関節を、マイクロCTによって解析し、得られた画像を3D可視化解析ソフトウェアAmiraを用いて立体構築するとともに、骨格標本を作製して経時的な形態変化を解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス変異株の世界的な拡大の影響で、国際共同研究者との交流は、オンラインに限られていたが、日本側では、当初予定していた実験を行い、次年度に向けて必要なデータを集めることが出来ている。

今後の研究の推進方策

遺伝子改変マウスの顎関節と膝関節の特異性を明らかにするために、川本法による非脱灰切片での解析を進める。3D可視化解析ソフトウェアAmiraを、定量的解析と半自動セグメンテーション機能を有する3D Proへアップグレードすることによって、関節構造の解析の効率を向上させる。細胞株を用いたDual luciferase assayを行うとともに、Omicsデータを共有し、メカノセンシングに関わる遺伝子の絞り込みを進める。Web会議を頻繁に行うなどして、研究打ち合わせの機会を増やし、日本側で実施可能な実験項目については、より多くのエフォートを割り当てる。可能であれば、渡独を行い、オルガノイド構築に関向けた実験を開始する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス変異株の蔓延によって、当初予定していた渡独が困難になったので、次年度使用額が生じた。可能であれば、渡独を行い、実験を進める。また、関節の立体構造の解析に有用なソフトウェアをアップグレードして、画像処理の効率化を図ると共に、定量的解析も行いながら、共同研究を進める。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ヴュルツブルク大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ヴュルツブルク大学
  • [雑誌論文] Tenogenic Induction From Induced Pluripotent Stem Cells Unveils the Trajectory Towards Tenocyte Differentiation2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshimoto Y, Uezumi A, Ikemoto-Uezumi M, Tanaka K, Yu X, Kurosawa T, Yambe S, Maehara K, Ohkawa Y, Sotomaru Y, Shukunami C
    • 雑誌名

      Front Cell Dev Biol

      巻: 10 ページ: 1-20

    • DOI

      10.3389/fcell.2022.780038.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 軟骨分化誘導系の確立から腱・靱帯研究への歩み (学術賞受賞講演)2021

    • 著者名/発表者名
      宿南知佐
    • 学会等名
      第39回日本骨代謝学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] ScxGFP iPS細胞を用いて樹立したin vitro腱・靭帯分化誘導におけるシングルセル解析2021

    • 著者名/発表者名
      吉本由紀, 山家 新勢 宿南知佐
    • 学会等名
      第39回日本骨代謝学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] TnmdCreノックインマウスの作製とTnmd陽性細胞の系譜解析2021

    • 著者名/発表者名
      山家新勢, 吉本由紀, 樋口真之輔, 味八木茂, 宿南知佐
    • 学会等名
      第39回日本骨代謝学会学術集会
  • [学会発表] 頭蓋顔面領域におけるScx+/Sox9+細胞の局在と形態形成への寄与2021

    • 著者名/発表者名
      樋口真之輔, 川上良介, 山家新勢, 余昕怡, 今村健志, 宿南知佐
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
    • 招待講演
  • [備考] 【研究成果】iPS細胞から効率良く腱細胞を分化誘導する系を確立

    • URL

      https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/69687

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公開日: 2022-12-28  

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