研究課題
まず、ミストCVD法を用いて、NiO-MgO-ZnO薄膜を成長し、岩塩構造単相となる組成と、岩塩構造NiO-MgO-ZnOの格子定数を評価した。ZnO組成がほぼ30%以下のとき、岩塩構造単相が得られる結果となり、それ以上のZnO組成ではウルツ鉱構造のZnOの異相が観察された。また、岩塩構造のNiO-MgO-ZnOの格子定数は、岩塩構造のZnOの格子定数を0.428 [nm]としてべガード則に従うことが明らかとなった。この、NiO-MgO-ZnOは、NiOとZnOの組成比がほぼ2対1のとき、MgO組成に依らず、MgOと格子整合することとなる。この、MgOと格子整合するような組成では、ほぼ全域で岩塩構造単相が安定構造であることがわかった。次に、このMgOと格子整合するNiO-MgO-ZnO薄膜をMgO基板上にエピタキシャル成長させた。XRD測定などから、得られたNiO-MgO-ZnO薄膜がMgO基板と完全に格子整合していることを確認した。さらに、この格子整合NiO-MgO-ZnO薄膜は、NiO:ZnO比を一定にしたまま、MgO組成を変更することでバンドギャップ制御が可能であり、3.7-5.7eVの範囲でバンドギャップが変化することを確認した。また、NiOはp型のワイドバンドギャップ半導体として注目を集めることから、β-Ga2O3上にミストCVD法を用いてエピタキシャル成長させ、β-Ga2O3とNiOのヘテロ接合デバイスについて検討した。β-Ga2O3の方位に応じたNiOのエピタキシャル成長の実現とその方位関係を明らかにした。また、LiをドープしたNiOとのヘテロ接合デバイスを試作し、その性能を評価した。
すべて 2024 2023 2022
すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)