本研究ではFoxa2細胞系譜特異的にFgfr2を欠損させたマウスでは唾液腺発生が起こらないことを見出した。またこの唾液腺欠損を示すマウスの胚盤胞にマウス多能性幹細胞を注入することで、唾液腺欠損の表現型を多能性幹細胞が補完し、多能性幹細胞由来の唾液腺をマウス体内で作出することに成功した。胚盤胞補完を行ったマウスは正常に出生、成長することが可能であり、成獣においても野生型と同等の組織構造を有する多能性幹細胞由来唾液腺を伴っていることが明らかとなった。これらのアプローチは唾液腺再生医療の基盤技術を提供するものである。
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