研究分担者 |
伊藤 由佳理 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (70285089)
伊山 修 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70347532)
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90211870)
長尾 健太郎 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教 (10585574)
江口 徹 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (20151970)
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研究概要 |
1.格子理論や保型形式論を用いたモジュライ空間や自己同型の研究成果:研究代表者はCoble曲面のモジュライ空間とnodalエンリケス曲面のモジュライ空間の有理性をI.Dolgachevとの共同研究の中で証明した。また桂利行との共同研究において、標数3のある超特異K3曲面の新たな幾何的構造を見つけた。向井は大橋との共同研究でEnriques曲面にMathieu型のsemi-symplectic作用をもつ有限群を分類し、また高次数偏極K3曲面については,種数16のK3曲面のモジュライの単有理性についての論文を公開した。吉川はBorcherdsΦ関数の代数的表示を求め,その応用としてBorcherdsΦ関数に対するThomae型公式,Freitagテータ関数との関係,CM点における値の幾何学的解釈を川口、向井との共同研究で得た。小木曽はWehler型と呼ばれる任意次元のカラビ・ヤウ多様体の双有理変換群を完全に決定した。 2.周辺分野の研究成果:伊藤は石井亮、Alvaro Nolla de Celisとの共同研究で,SL(3,C)の非可環な有限部分群の特異点解消を,可換な有限部分群に分割した作用を考え,特異点解消をモジュライ空間として構成した。伊山はAmiot, Reitenとの共同研究で,古典的に知られた単純特異点と対応するDynkin箙の道多元環の間の三角圏同値の存在を、体系的な枠組みで捉えなおし,一般化した。長尾はA.Morrison, S.Mozgovoy, B.Szendroiとの共同研究において,ある種の3次元Calabi-Yau多様体に対して,モチーフ的Donaldson-Thomas不変量の明示的公式を見いだし、寺嶋郁二、山崎雅人との共同研究において,クラスター代数と3次元双曲幾何の新しい関係を発見した。菅野は、4次元N=2ゲージ理論におけるインスタントンの数え上げにより定義されるNekrasovの分配関数と共形ブロックの関係(AGT関係式)について研究を行い、特に面作用素(surface operator)とよばれる余次元2の欠陥を入れた分配関数(面作用素の期待値)が一般化W代数のVerma加群の適当な元(Whittakerベクトル)の内積として書けると予想して,その特徴付けを与えた。
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