非侵襲脳刺激法を用いた認知リハビリテーションの開発に向けて、さまざまな基礎的検討をおこなった。まず運動機能障害に対するリハビリテーション効果として、下肢の運動障害を持つ皮質下梗塞の患者に対して経頭蓋直流電気刺激tDCSが有効であることが示された。tDCSによる頭頂葉刺激により計算課題の成績が向上すること、成績改善の程度は事前におこなう機能的MRIの所見で予測できることを明らかにした。また動物実験により、大脳皮質の陰極刺激によって基底核のドーパミン遊離が促進されることを明らかにした。これらの成果は、tDCSを用いた認知リハビリテーションの開発に貢献するものと考える。
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