研究課題/領域番号 |
22246068
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
張 峻屹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (20284169)
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研究分担者 |
藤原 章正 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50181409)
平田 道憲 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30111660)
小林 敏生 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (20251069)
大森 宣暁 東京大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80323442)
谷口 綾子 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (80422195)
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キーワード | 市民生活行動学 / 部門横断型政策 / 生活の質(QOL) / SWB(Subjective Well-Being) / 健康 / モビリティ / 自主申告型調査 / 計量経済モデル |
研究概要 |
本研究では、縦割り行政の欠点を克服すべく実用的なまちづくり方法論として、市民生活行動学の構築に基づく部門横断型まちづくり方法論の開発を研究目的とする。本年度の主な研究成果は以下のとおり。 (1)市民生活行動調査の調査と分析:ライフドメイン別生活実態、生活満足度と幸福度から定義されるQOL(生活の質)からなる統合型市民生活行動調査を提案した。詳細な市民生活行動を種類別にパッケージ化し、(1)交通行動、公園利用、健康づくり、身体的・精神的・社会的健康からなる市民健康行動調査、(2)(2週間)交通日誌調査とGPS調査からなる高齢者モビリティ調査、(3)主な買物施設での買物実態、1日の詳細な買物行動(活動日誌調査と1日再現法(DRM))からなる都市圏買物行動調査をそれぞれ提案した。生活史調査により居住地、自動車保有・利用、通勤先・通学先や世帯構成のライフコースにおける変化を調べる調査を提案した。全国でのウェブ調査(それぞれ1000人規模)(買物調査:広島市で紙媒体調査)を通じて調査手法の実施可能性を確認すると同時に、日常的な市民生活行動の実態、生活行動の長期的な変化パターンを分析し、調査手法と生活行動の実態に関する多くの知見を得た。 (2)自主申告型調査の提案と公共的受容性の評価:政策や計画立案に必要な被験者の情報を,被験者が自己の都合に合わせて自主的に継続して申告する「自主申告型調査」を提案し、その公共的受容性を評価した。 (3)市民生活行動モデルの開発:生活時間、交通行動、自動車保有・利用、居住地選択行動、観光、子育て・介護行動、世帯エネルギー消費などを対象に、人間の意思決定メカニズムを考慮した市民生活行動モデルを開発した。 (4)QOLに関する評価ツールの提案:生活満足度(LC)と幸福度(HP)を目的変数とし、LCとHPの総合評価指標間の相関、影響要因間の相関の影響を同時に取り入れた多変量順序づけロジットモデルに基づくQOLの評価ツールを提案した。
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