研究課題/領域番号 |
22300017
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
温 暁青 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 教授 (20250897)
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研究分担者 |
梶原 誠司 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 教授 (80252592)
宮瀬 紘平 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 助教 (30452824)
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キーワード | LSIテスト / 低電力テスト / テスト電力調整 / 遅延テスト / 微小遅延故障 / 活性化パス / 高品質化 / 高信頼化 |
研究概要 |
平成23年度は、実速度スキャンテストにおける高精度電力解析に基づく電力調整エリア特定手法、及び、電力調整エリアに対する局所テスト電力調整手法に関する研究を実施した結果、以下の研究成果が得られた。 研究成果1(高精度電力解析に基づく電力調整エリア特定手法の確立) 与えられたテストベクトルで活性化された長いパスを効率的に見つける手法を提案した。大規模回路で評価実験を行った結果、その有効性を確認した。更に、LSI回路の配置・配線レイアウト設計情報及び電源ネットワーク(PDN)設計データに基づいて、活性化パス上のゲートの電源電圧に強い影響を与える論理素子(ゲート及びフリップ・フロップ)を特定する手法を提案した。これらの論理素子は活性化パスの影響領域(Impact Area)を構成し、その状態遷移量が高精度電力解析に用いられる。これによって、高精度電力解析が可能になった。 研究成果2(電力調整エリアに対する局所テスト電力調整手法の確立) 研究成果1の提案手法で特定した活性化パスの影響領域における状態遷移量(Weighted Switching Activity)によって、長い活性化パスを3つのタイプに分類するための基準を確立した。その中で、特に状態遷移の多い活性化パス(Hot Path)及び特に状態遷移の少ない活性化パス(Cold Path)について、その影響領域内の状態遷移量をまずGated Clockで調整することを試み、その次に冗長入力ビットへ最適な論理値を与えることで更に調整するための2段階電力調整手法を提案した。組合せテスト圧縮機構付きのベンチマーク回路で評価実験を行った結果、提案手法の有効性を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに研究活動を展開し、順調に研究成果を上げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は本研究課題の最終年度であり、今まで開発した要素技術の統合が重要目標である。それを達成するために、研究計画に沿って着実に研究活動を展開する。特に、多くの複雑な電子設計自動化(EDA)ッールを用いて評価実験を行う必要があるので、個々のツールの使用へのサボート体制を早期に確立する。また、多くの要素技術を統合する場合に必要なトレードオフについても考慮し、有効な技術系統を確立する。
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