研究分担者 |
鈴木 誠 北海道大学, 高等教育推進機構, 教授 (60322856)
倉元 直樹 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (60236172)
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 准教授 (30542328)
榊 良康 北海道教育大学, 教育学研究科, 教授 (30524102)
阿部 修 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30202659)
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研究概要 |
本年は2年目の研究であった。(1)目指す教師像の明確化,(2)具体的プログラム実施と検討,(3)地域との連携の推進,(4)評価方法のデザイン,という4つの研究を行った。特に(2)について,小中学校の新学期から参与観察,8月末より2ヶ月半に及ぶ長期の教育実習を行った。 長期実習に参加した学生は3名であった。市内の小学校1校,市内の中学校2校で実習を行った。4月の第1日目からそれぞれ学校の指導教員の指導のもと,学校の参与観察を行った。 その間の経過については,Webを用いた実習記録ページへ,3名とも記録を行うと同時に,指導教員からもほぼすべて学生の記述にコメントを書いてもらった。 大学側では,週1回の実習セミナーを行い,その1週間に学生が学んだこと,それに対するコメントやアドバイスを大学から,学生に提供した。また,月に1度は実習校の指導教員と大学研究者での研究会を持ち,その都度指導の在り方について,検討した。 その結果,秋からの長期実習中に3名とも,すぐれた指導力を身につけ,通常の実習生より,高度な授業実践を行った。これについては,研究分担者,実習校校長や実習校指導教員の共通した見解である。また,データとしてその成長を捉えるために,実習生による他の教諭の授業の分析,3名の実習生の授業を質的方法によって,現在分析を行っている。これについては,平成24年度に中間報告として学会で発表する予定である。 現在までのところ,長期実習は学生の指導力向上に有効であると考えられる。 同時に,このプログラムで検討が必要な点もある。例えば,一人の学生の経年的な成長などである。すなわち従来の実習で身につけたことと,その後長期実習を経て身につけたことという成長の軌跡を捉えていくことが必要であると考えている。これらについて,今後検討を加えていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
上記でも述べたように,ある一人の学生に注目して,その学生の従来の実習およびその後に行う長期実習を通してどのように成長していくかを捉えることが必要である。そのため第3年度となる平成24年度は,長期実習を行わない。大学3年生で従来の実習を行う学生の成長を捉えるようにする。その上で同一の学生が来年度(H25年度),長期実習を通してどのように成長していくかに注目する予定である。 なお,3年目のH24年度は,研究を始めた当初,計画していなかった海外調査を実施する。より広い知見をえることを目的とする。平成24年度は中間成果を学会で報告する予定である。また,25年度あるいは26年度になるかもしれないが,総合的な成果を学会で公表する予定である。
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