研究課題
基盤研究(B)
癌の化学療法後に出現する高次脳機能障害はchemobrainと呼ばれ、社会復帰の上で大きな問題となる。本研究では、本邦におけるchemobrainの実態を知るために、横断的、縦断的、疫学的に癌患者の認知機能や社会復帰の状況について検討した。横断的研究では乳癌治療後の患者を化学療法の有無により2群に分け、自覚的・他覚的な認知機能障害について調べた。両群で有意差は認められなかったが、個人でみると認知機能低下が示唆される例が存在した。悪性黒色腫、子宮・卵巣癌に対する縦断的研究では化学療法後に認知機能が明らかに低下した例は認められなかった。疫学的調査では自覚的に認知機能変化を訴える回答があった。
神経心理学