研究課題/領域番号 |
22320048
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯倉 洋一 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40176037)
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研究分担者 |
加藤 弓枝 豊田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10413783)
神作 研一 国文学研究資料館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30267893)
大谷 俊太 京都女子大学, 文学部, 教授 (60185296)
山本 和明 相愛大学, 人間発達学部, 教授 (90249433)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 上方 / 堂上 / 地下 / 小沢蘆庵 / 上田秋成 / 妙法院宮 / 歌壇 / 人的交流 |
研究概要 |
平成23年度に続き、近世上方文壇の人的交流に関する従来の研究文献(研究書および論文)を可能な限り網羅的に収集し、そのリストを作成する一方、その中に示される人的交流についての事項をピックアップし、年表データとして構築する作業を進め、一応の区切りをつけた。今後データを整備することによって、利用価値の高いデータベースになると確信する。 また本研究の一つの柱となる小沢蘆庵『六帖詠藻』(新日吉神宮蘆庵文庫所蔵)を、アルバイトの雇用による入力も含め、研究分担者・連携研究者・特任研究員が分担して翻字し、一応全体が完成した。さらに年度末までに約30パーセント程度のチェックを行うことができた。同時に、人名索引が分担者加藤弓枝によってほぼ完成している。 その他、本研究課題に関わる文献調査を、宮内庁書陵部・国文学研究資料館・星槎大学大磯キャンパス・慶應義塾大学・国立国会図書館・九州大学で、代表者・連携研究者・特任研究員が行った。 また3月に、西尾市岩瀬文庫で文献調査を行うとともに、同文庫で長年悉皆調査を行っている塩村耕氏と意見交換を行った。また同地で公開研究会を開催したが、今年度は、本本研究課題に関わる研究を行っている研究者をゲストとして招き、講演および研究発表をしていただいた。まず「小沢蘆庵についての二題」と題する講演を鈴木淳氏(国文学研究資料館)が行った。また「城戸千楯(恵比寿屋市右衛門)の交友と出版」と題して青山英正氏(明星大学)、「出府と蟄居―非蔵人橋本経亮の誤算―」と題して一戸渉氏(金沢大学)、「上田秋成と蘆庵社中―雅交を論じて『金砂』に及ぶ」と題して高松亮太氏(国文学研究資料館機関研究員)が研究発表を行った。参加者は30名を超える盛況であった。また名古屋市の藤園堂文庫でも共同調査を行った。なお3月には最終年度のまとめ方についての打ち合わせも行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本共同研究の2つの大きな柱である、上方文壇人的交流データベースの構築と、小沢蘆庵の稿本『六帖詠藻』の翻字・索引作成が、ほぼ予定通りに進行しているから。
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今後の研究の推進方策 |
上方文壇人的交流年表は、入力したデータの再点検、表記等の統一、データの追加などを行う。 『六帖詠藻』の翻刻については、25年度5月末をもって、各自の一次チェックを完了し、加藤弓枝による全体チェックを経て、8月に原本と付き合わせてのチェックを行い、完成させる。索引については同時期に完成させる。 本年度は最終年度であるが、人的交流年表および、『六帖詠藻』の翻字について、データをCD-ROMに収めて配布する。
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