研究課題/領域番号 |
22330053
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大芝 亮 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50168910)
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研究分担者 |
山田 哲也 南山大学, 総合政策学部, 教授 (00367640)
星野 俊也 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (70304045)
吉川 元 上智大学, 外国語学部, 教授 (50153143)
羽場 久美子 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (70147007)
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キーワード | 国際連合 / EU / 多国間主義(マルチラテラリズム) |
研究概要 |
平成23年度は、研究プロジェクトのメンバーによる研究の推進を中心とした。国連およびグローバルなマルチラテラリズムについて、星野、山田、大芝、内田(研究協力者)がそれぞれの研究を進めた。山田、大芝においては、国連による平和構築活動について、それぞれ軍事力および経済援助の果たす役割について考察を行った。また、EUおよびヨーロッパにおけるリージョナルなマルチラテラリズムについては、吉川、羽場および大芝が研究を進めた。吉川は、国際社会における重要な理念である民族自決主義が、20世紀において、まず初頭に開花し、冷戦期に封じ込められ、そして冷戦後ふたたび台頭する状況を分析し、この理念の果たした役割の功罪について考察を行った。 国連研究の意義について、広く意見を交換する必要性を認識し、星野、山田、大芝が中心となり、平成23年6月の日本国際連合学会研究大会でのセッション「国連について何を研究・教育するのか」を企画・実施した。以上のような個々の研究成果と学会でのセッションにおける議論をもとに、平成23年11月に、プロジェクト全体としてのまとめかたについて協議を行った。マルチラテラリズムに基づく国際制度が重層化しているだけでなく、フォーラムショッピングの理論の指摘するように、競合してきており、いずれの国際制度を活用するかをめぐり、外交の駆け引きが活発化していること、また、国連研究に欠けているものとして、歴史研究および思想史的研究があるとことが了解された。 平成24年3月に、プロジェクト全体の問題提起を大芝が報告し、意見交換を行った。このプロジェクトの問題提起について、大芝はオクスフォード大学を中心に企画された「グローバル・プレイヤーとしてのEU」というテーマのもとにチェコ・プラハで開催されたシンポジウムに参加し、日本におけるEU研究の動向と特徴について発表を行った。そこでは、EUにおけるシビリアン・パワーの概念をめぐり、議論を展開した。また、ドイツ・ミュンヘンにおいて、EUと日本の関係についてヒアリングを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に外部実務関係者へのヒアリングを行い、2年目にはプロジェクトのメンバーによる研究を進めるとともに、研究について外部研究者との意見交換を行った。3年目にはこうした点を取り入れて総括に向けていくという計画通りにおおむね進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度として、内外の学会(米国の国連学会および日本の国連学会)レベルでの意見交換を行い、学術的に水準の高い成果報告を作成することをめざす。国連およびEUについて、多国間主義という視点から、思想史的な考察を行い、国際関係思想研究という領域での貢献をめざす。
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