研究課題/領域番号 |
22330063
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大村 泉 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50137395)
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研究分担者 |
窪 俊一 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50161659)
橋本 直樹 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (50180831)
陳 力衛 成城大学, 経済学部, 教授 (60269470)
渋谷 正 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (70136836)
久保 誠二郎 東北大学, 経済学研究科(研究院), 博士研究員 (80400216)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / マルクス / エンゲルス / 『共産党宣言』 / 民族 / 国民 / 中国 / マルクス主義 |
研究概要 |
共産主義、民族、資本主義、階級、恐慌、所有、労働組合、賃銀労働者等は、西洋起源の社会経済思想の代表的術語であり、今日では日常語でもある。しかし、1880年代前半の英和辞典には英語術語はあっても、こうした翻訳術語は存在しない。ではいつ頃、字引に登場し、当初はどのような文脈で用いられ、定着することになったのか。 本研究の目的は、(1)これらの術語が多用され、日中両国で数十回に亘り改訳されている『共産党宣言』から重要術語を抽出し、これに資本主義や失業など、同書には登場しないが、関連する重要術語を加え、その初出時期、代表的な用例探索、(2)その初訳以来最新訳までの訳語訳文の変化の詳細な検討、(3)最初の中訳(陳訳、1920年)が、英訳を参照した日訳(幸徳+堺訳)からの重訳であることを踏まえ、英訳、日訳、中訳の訳語訳文の差異を調査し、これを起点にその後の中訳と日訳との乖離を整理するところにある。 本研究の最終年度である平成24年度には、課題(1)では、22,23年度に行った重要翻訳術語の初出時期、代表的な用例探索を補完し、同時にリスト化することに努めた。課題(2)では、『共産党宣言』初訳以来最新訳までの訳語訳文の変化を、まず幸徳+堺の英語版を底本とする1904(1906)版と、2人(訳者は2人だが、実際には堺のみ)のドイツ語版を底本とする1921年版(秘密出版)とを厳密に対比して異同をリスト化すると共に、さらに1921年版を基準に、その後の最近刊行された第2次戦後の刊本までの変容を時系列でリスト化した。課題(3)では、23年度で基本動向の検討を終えたので、24年度は『ドイツ・イデオロギー』の翻訳術語にも検討範囲を広げた結果、民族、国民、国家の訳語について『共産党宣言』と同一傾向の存在を確認し、北京の研究者を招聘した国際会議で報告した。個別の研究成果は成果発表欄の通りである。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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