研究課題/領域番号 |
22330219
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
田嶋 一 國學院大學, 文学部, 教授 (90146738)
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研究分担者 |
吉田 伸之 東京大学, 大学院・人文学研究科, 教授 (40092374)
木村 元 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (60225050)
西島 央 首都大学東京, 大学院・人文系研究科, 准教授 (00311639)
多和田 雅保 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (10528392)
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キーワード | 教育学 / 日本史 / 地域史 / 学校史料 |
研究概要 |
本研究の目的は、飯田・下伊那地域における小学校および小学校区を対象とし、学校史料を保存、分析することを通じて、小学校区を単位とする地域の社会=文化構造を解明することにある。 本年度は、昨年度に引き続き、中心的な調査対象である、長野県飯田市立追手町小学校および同座光寺小学校が所蔵する文書の悉皆調査に重点をおいた。それぞれ昨年度までに作成した文書目録にもとづき、利用頻度が高いと予想されるもの、当該学校や地域の特徴をよく表していると思われるものを中心に、デジタルカメラ撮影を行った。 両校とも、調査の過程において、薪たに所在が確認された史料があったため、追加調査に着手した。学校では、文書管理者が異動によって頻繁に変更されるため、歴史資料の所在がじゅうぶんに引き継がれず散逸するおそれがある。目録を作成し、史料群としてリスト化することで、そのおそれはいくらか軽減するものと考えられる。 また、史料撮影作業と並行して、研究者各自の関心に沿った文書の分析にも着手した。 都内および飯田市内において研究会を開催し、調査経過の報告と、研究者相互の意見交換を行った。地域の学校に残された文書を、地域に関する史料として分析することにより、学校史料を群として捉えた際の特徴が浮かび上がるとともに、他の史料群とどのように組み合わせて分析の幅を広げるかという、可能性がより明確にみえてくるであろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査をほぼ予定通りの日程・規模で実施し、目録作成および撮影を行っている。 しかし、当初の想定より史料点数が多かったことに加え、追加調査の必要が生じた。そのため、デジタルカメラ撮影に時間がかかり、史料の内容分析が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象である小学校2校について、史料全点についての目録を作成し、基本となる史料のデジタルカメラ撮影を完成させることを最優先とする。年度内、各校とも2~3回の調査を実施する。 学校史料を、一部利用ではなく史料群として把握し、分析対象とすることが、本研究の主目的であり独自性であるため、現段階においては、史料の分析は研究分担者の関心にもとづき、ユニット内での連携をとりつつ徐々に進めていくこととしたい。その成果の一部を、8月に飯田市内にて研究報告する。
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