研究課題/領域番号 |
22360074
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
榊原 潤 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (10292533)
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研究分担者 |
加治 優一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50361332)
大鹿 哲郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90194133)
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キーワード | 眼科学 / 流体工学 / 白内障 / 超音波乳化吸引術 / 乱流 / 三次元画像計測 |
研究概要 |
本年度は浮遊する水晶体片の形状や大きさを調べるために、三次元画像処理に基づいた計測システムを構築し、実験を行った。 生理食塩水を満たした矩形アクリル容器に、豚から摘出された眼球を設置した。眼球内に白内障手術用超音波ハンドピース(現有)を挿入し、ハンドピース先端を超音波振動させながら、水晶体乳化吸引術、すなわち水晶体の破砕吸引を行った。メタルハライドランプ2台で白色光を照射しながら、2台の高速ビデオカメラを用いて角膜を通して前房内を撮影した。撮影された映像から、超音波ハンドピースによって破砕された水晶体片の存在を確認し、その運動が捉えられた。 豚眼を除いた後に、直径0.2mmの円孔が0.5m間隔で格子状に配置された校正板を設置し、画像座標と物体座標を対応づける校正関数(三次多項式)を求めた。このとき、パタンマッチングによって格子点を自動検出し、物理座標の割り振りを行った。得られた校正関数に基づいて、水晶体片の三次元位置をステレオ法により計測するソフトウェアを開発した。ここで、1台目のカメラの画像に写る水晶体片と、2台目のカメラの画像に表示したエピポラー線上にある対応する点をそれぞれ指定することで、それらの点を通る視線の交点として三次元位置を求めた。水晶体片が、ハンドピースから流出する流れに乗って前房内を流下し、前房外縁部に衝突した後に同外縁部に沿って移動する間の、時々刻々の三次元位置を定量的に測定できた。さらに、得られた三次元位置データを微分することで速度情報を得た。
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