研究概要 |
柑橘果皮中の薬効成分分離を目指した溶媒循環型超臨界抽出‐精留法の開発を目的とし,2010年度は溶媒循環型超臨界流体抽出-精留装置の開発,2011年度は構築した装置とモデル化合物2種を用いた実験的評価,2012年度は実サンプルとして柑橘果皮成分への応用を検討した.まず,温度付与型精留塔の妥当性評価のため標準物質として入手可能な化合物2種(7-hydroxy flavoneおよびAnthracene)を選定し,精留実験を実施した結果,CO_2-Ethanol系の気液平衡関係に従ってそれぞれ2種の化合物が親水性の尺度のもと精留塔塔頂と搭底より連続的かつ高度に分離されることを確認した.2012年度は引き続き基礎データの蓄積とさらなる応用のため青島温州果皮成分へと方法論を展開した結果,抽出物のノビレチンやその他ポリメトキシフラボンにも本法が適用できることが確認された.特に,水を添加した抽出-精留実験では,ノビレチンを含む透明な液体が塔頂から,その他光合成色素を含む着色した液体が塔底からそれぞれ回収できることが判明し,本法の有用性が実証された.
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