研究課題
本研究では宇宙環境要因が宇宙用材料劣化におよぼす複合加速効果について、反応メカニズムに立脚したシナジー発現条件を探索して定量的に精査を行い、複合宇宙環境下での高分子劣化に関するシナジー効果に対する包括的な理解を行うことを目標とする。具体的には期間内に以下の内容について明確な解答を得ることを目標とする。(1)原子状酸素と紫外線のシナジーはフッ素系樹脂では実験の範囲で明確に否定されたが、炭化水素系高分子材料でも生じないのか。また、これらの地上実験条件と実宇宙環境との整合性は十分か。(2)分子運動や分子間結合状態が異なると考えられる高温時や放射線照射を行った高分子でもシナジーは発生しないのか。(3)化学反応的な観点から原子状酸素が関与するシナジーはどのような条件下で発現するのか。それを単独試験のみで評価する際には安全率をどのように規定するべきか。平成22年度は本プロジェクトの初年度であり、ビーム中に含まれるイオン量の低減するためにガス導入用のパルスバルブを応答性の良いモンタナ州立大学が開発したシステムに変更した。そのため、国際会議等の機会を利用してモンタナ州立大学研究グループとの共同作業により、(1)パルスバルブの詳細設計、(2)オペレーション条件の最適化について検討を行った。さらに(3)真空システムおよび高圧配管系の改設計等も行って、初期の目標を達成できることを確認した。さらにシナジー実験のための紫外線光源や、エネルギー依存性を明らかにするための高速チョッパーの整備・改良も併せて行い、平成23年度の本格的な実験開始に向けての準備作業をほぼ完了することができた。
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