研究課題/領域番号 |
22360355
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横田 久美子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (20252794)
|
研究分担者 |
田川 雅人 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10216806)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 宇宙環境 / 原子状酸素 / 宇宙材料 / 地上試験 / 材料劣化 / 複合効果 / シナジー効果 |
研究概要 |
本研究では宇宙環境要因が宇宙用材料劣化におよぼす複合加速効果について、反応メカニズムに立脚したシナジー発現条件を探索して定量的に精査を行い、複合宇宙環境下での高分子劣化に関するシナジー効果に対する包括的な理解を行うことを目標とする。具体的には期間内に以下の内容について明確な解答を得ることを目標とする。①原子状酸素と紫外線のシナジーはフッ素系樹脂では実験の範囲で明確に否定されたが、炭化水素系高分子材料でも生じないのか。また、これらの地上実験条件と実宇宙環境との整合性は十分か。②分子運動や分子間結合状態が異なると考えられる高温時や放射線照射を行った高分子でもシナジーは発生しないのか。③化学反応的な観点から原子状酸素が関与するシナジーはどのような条件下で発現するのか。平成24年度には複合効果の温度依存性、分子種類依存性等に関して実験を行った。その結果、宇宙環境評価のリファレンスとして用いられるポリイミドは、原子状酸素によりガス化するが温度依存はほとんど示さないこと、アルゴンや紫外線では質量減少しないことから、原子状酸素による衝突励起酸化反応が質量減少の主たる反応であることが示された。一方、フッ素系材料においては、その劣化反応量は原子状酸素ビームのエネルギーや試料温度に強く依存し、さらに紫外線単独照射でも温度依存を伴った質量減少を示した。原子状酸素と紫外線の複合効果については、ポリイミドでは酸化反応生成物の光励起脱離反応に起因する複合効果が観測されたのに対して、フッ素系高分子材料では低温時を除き、複合効果は発現しないこと等が明らかになった。以上の結果から、宇宙環境有機材料劣化現象は材料により反応メカニズムが異なり、その複合効果の発現条件も試料温度、原子状酸素衝突エネルギーなどに依存し、極めて複雑であることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|