研究課題
本研究の目的は66GyE/10Fr照射した肝癌治療成績を、前向き無作為比較試験(主要評価項目:全生存率、副次的評価項目:局所制御率、安全性)で検討する事である。対象は1)臨床または病理学的に新鮮肝細胞癌、2)単発、3)腫瘍栓、肝癌破裂がないN0M0例で、4)治療計画上も線種間に差がない事とし、年齢、性別、肝障害度、腫瘍径の4因子を動的中央割り付けした。44例が登録され、脱落3例(患者同意得られず、線量変更、照射中の骨折で治療中止が各1例)を除いた41例(陽子線20例、炭素線21例)を解析した。観察期間、性別、年齢、肝障害度、腫瘍径、ウィルス性肝炎、T因子(UICC2009)、AFP、PIVKAIIは陽子線:炭素線でそれぞれ0.4~34.9月(中央値9.1):0.4~26.8月(中央値11.8)、男15女5:男16女5、58~87才(中央値72):46~87才(中央値72)、A8 B10 C2:A10 B10 C1、12~63mm(中央値24):10~62mm(中央値21)、B4 C11 NBNC5:B2 C15 NBNC4、T1:12 T2:9 T3:0:T1:9 T2:10 T3:1、1.4-8280ng/ml(7.7):6.4-20470ng/ml(6.4)、13-23100mAU/ml(46.5):13-145000mAU/ml(46)で背景因子に差はなかった。再発は陽子線群3例(肝内3)、炭素線群5例(肝内4、肝外1)に認め、死亡3例は陽子線群1例、炭素線群2例で死因は全て肝内再発による原病死であり治療関連死はなかった。なお、両群とも局所再発、Grade 3以上の晩期有害事象はみとめなかった。1,2年全生存率は陽子線群100%, 87.5%、炭素線群100%, 66.7%で差を認めなかった。結論:無作為比較試験の中間結果では炭素線・陽子線間に有意差はなかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Radiother Oncol
巻: 103 ページ: 25-31
10.1016/j.radonc.2011.12.029