研究課題/領域番号 |
22390369
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
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研究分担者 |
中本 哲自 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (30514989)
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60397940)
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キーワード | 歯学 / メカノバイオロジー / 骨細胞 / 骨吸収 / 物理刺激 |
研究概要 |
抜歯された後の歯槽骨(顎骨歯槽突起)や移植骨、GBR等で造成された骨は術後吸収を起こすことが知られているが、その吸収量やスピードは個人差がある。インプラント補綴治療における長期的予後を考えると、骨吸収の制御手段の確立は大きなブレークスルーとなる。しかし、これらの生理的骨吸収を制御することは、現状では不可能である。そこで、本研究の目的は、生理的な術後骨吸収に密接に関わっている『骨細胞』と『物理刺激』に焦点を当て、いわゆるメカノバイオロジーによる研究デザイニングにより骨吸収メカニズムの一端を解明することよって、臨床における生理的骨吸収制御のストラテジー構築を目的として本研究を行っている。平成22年度において骨細胞の3次元培養ゲルを培養容器に入れ、3D-クリノ(人工無重力環境発生装置)に搭載したところ培養液漏れが発生したため、平成24年度は培養容器の密閉性と固定方法を改善した新しい容器を開発し、当該装置を用いて研究を行った。株化骨細胞様細胞を1Gおよび人工無重力下で培養し、マーカーとしてsclerostinおよびFGF-23を用いて検討を行っている。また、物理刺激が途絶えると、骨細胞から指示が出てRANKLを介した破骨細胞の活性化が起こっている可能性があるため、RANKLも合わせて検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
骨細胞の3次元培養ゲルを培養容器に入れ、3D-クリノ(人工無重力環境発生装置)に搭載したところ容器の固定方法に問題が発生し、その対応に追われたのに加え、3D-クリノ搭載中に培養液漏れが発生し、培養容器の密閉性の改善に予想以上に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
株化骨細胞様細胞について、ミズーリ大学のProf.L Bonewaldとの共同研究の話が進んでおり、MLO-Y4およびMLO-A5などの細胞株を用いて検討することにより、骨芽細胞が骨細胞に分化する分化ステージによって異なるマーカー分子の動きを明確に分析することが可能になる。これらの細胞株を3D-クリノに搭載し、重力による物理刺激の影響をFGF-23やsclerostinを用いて解析する予定である。
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