研究課題/領域番号 |
22500466
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
大柳 俊夫 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (70177020)
|
キーワード | 反応時間 / 多重感覚刺激 / マイクロプロセッサー / 高精度計測 |
研究概要 |
パソコンを利用した臨床場面で利用可能な高精度反応時間計測システムを開発し、我が国はもとより世界的な利用を実現する目的で、本年度は、以下の研究開発を行った。 (1)昨年度開発したプロトタイプシステムをベースに、聴覚刺激(さまざまな周波数、継続時間のビープ音)を扱うための小型ハードウェアの開発を行った。また、昨年度に引き続き、本開発システムで実装する課題について検討し、視覚刺激、聴覚刺激、視聴覚刺激の呈示とシステム全体を管理するコンピュータ上で動作するソフトウェア(被験者ならびに課題実施結果のデータを容易に管理するためのデータベースを含む)を開発した。課題の遂行前には、被験者に課題の内容を十分に理解してもらうことが必須であり、このことが臨床場面での課題利用の困難さの原因となることがある。そこで本ソフトウェアでは、各課題のデモを容易に実行する機能を実装し、被験者への課題の教示を確実にできるようにした。さらにさまざまなコンピュータディスプレイで利用できるように、利用するディスプレイのサイズに応じまた課題提示をできるようにした。また、日本とカナダでの実験を行うことから、本ソフトウェアは日本語と英語で利用できるものとした。 (2)昨年度に引き続き、反応時間課題で利用する動画像を札幌市とアルバータ大学の研究協力者の所在地であるエドモントン市で収集した。また、アルバータ大学を訪問し、Dr.Lili Liu、Dr.Masako Miyazakiらの大学院生に本研究内容について説明し、実際に昨年度開発したシステムをつかったデモを行い、来年度のデータ収集に向けた取り組みを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視覚刺激、聴覚刺激、ならびに視聴覚刺激を利用する反応時間課題を実行するソフトウェアの開発、各種刺激を用いた課題における反応時間を高精度で計測するためのハードウェアの開発を終え、今年度実施するデータ収集のための準備が整っている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、本研究の最終年度であることから、昨年度までに開発したシステムを利用したデータ収集を中心に行う。なお、本データ収集は、札幌とカナダアルバータ州エドモントン市において実施し、データ分析では、国際比較も行う計画である。データ分析を通して、開発システムでの臨床応用の有効性について検討する。
|