研究概要 |
22年度は23年度に行う,教授実験のために,教材の分析と授業理論の構築についての理論研究を行った。また,これまでの研究成果を実際に日々の授業を行っている小学校教員に賛同を得るための方策についても考えた。 1.教材の分析と授業理論について 教材の分析については,いくつかの学習内容について行った。具体例をあげると,筆算を子どもが作り出していくために,その前の学習としてどのような事項が必要となるのかを分析した。かけ算の筆算であれば,分配法則を2年生のどの段階から導入し3年生ではどのように図を提示すれば分配法則の活用を子どもに示唆できるのかを考えた。また,6年生の「拡大図・縮図」の学習では,5年生の「合同」の学習に何を活用させるのか,用語の指導とともに考えた。さらに,教師が,授業のまとめの場面で既習事項が活用されていることを明示するなど,既習事項を活用する力をつけるための授業を構成も考えた。23年度はこうした成果を基に教授実験を行い,その効果を実証的に検証していく。 2.小学校教員の賛同を得るための方策 研究成果が教育実践に生かされるようにするために,現職教員研修の場での効果的な成果の提示の仕方について考え,その成果について,論文発表,及び,学会で発表を行った。23年度は引き続き効果的な提示の仕方について考え,その成果がどの程度,現職教員の賛同を得られ,かつ,授業改善につながっていったのかをデータを収集する。
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