本研究で作成した天体望遠鏡の使用に関するデジタルデータを用いて県内の小学校・中学校理科の現職教員に向けの望遠鏡使用研修会を開催した。また、同デジタルデータを用いて指導を行ってきた教員志望の本学学生とともに、県内小学校に赴き、小学生・保護者に対して天体観望会を開催した。これらの実践を通して本研究で作成デジタルデータの検証を行った。 2012年度は県内では282年振りの金環日食が観察できる年であり、興味・関心の高まる児童・生徒が金環日食を安全に観察できることが大切である。そこで、県内小学校、中学校理科の教員が児童・生徒を適切に指導できるように、滋賀県に特化した金環日食に関するパンフレットを作成した。作成したパンフレットは、滋賀大学コア・サイエンス・ティーチャー(CST)事務局の協力のもと県内の全小学校教員、中学校理科教員に配布するとともに、滋賀大学のホームページにも掲載し、子どもや一般の人にも広く見られるようにした。この日食パンフレットのサイトには、5000アカウント以上のアクセスがあった。また、当日は観察を行ったが、あいにくの曇りであった。他に、金星日面通過の観測会を大学において開催した。さらに、皆既日食の観察を現地に赴き行ったが、天候不順のためデータは取得できなかった。 本研究で作成した太陽に関するデジタルデータを用いて、太陽に関する講演を滋賀県内中学校5件、京都府内小学校1件、京都府内高校2件の計8件行い。検証を行った。作成したデジタルデータは児童・生徒の関心をひく上で非常に有益であること、また、最近の現象により強い興味を示すことが分かった。
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