カーボンナノチューブ(CNT)は機械的強度に優れ、高い導電性と熱伝導性を有しているため、LSI配線への応用が期待されている。しかし、CNTは分子間力により凝集するため分散性に乏しく、ハンドリングが困難である。そこで、熱応答性高分子に着目して、熱応答性高分子をCNTにグラフトすることで、CNTへ熱応答性を付与でき、水中において低温では親水性により分散、高温では疎水性相互作用により凝集するスマートナノ材料の合成を検討した。得られた複合ナノ粒子は体温と同様の40℃程度の熱に応答して、溶媒中で分散と凝集を繰り返すことを見出した。さらにCNTは赤外光照射により発熱する性質を持つことを利用して、赤外光レーザーを照射してCNTを加熱することで、集積体の形成について検討した。その結果、赤外光レーザーによる局所加熱で、CNTを集積して、さらに2次元に配列することに成功した。
|