研究課題/領域番号 |
22520117
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館 |
研究代表者 |
渡辺 晋輔 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究員 (50332143)
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研究分担者 |
幸福 輝 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 上席主任研究員 (00150045)
陳岡 めぐみ 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究員 (50409702)
保井 亜弓 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (30275086)
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キーワード | 版画 / 版画史 / ルネサンス / マニエリスム / バロック |
研究概要 |
本研究の目的は、版画に関する一次資料を収集し、作品が生まれた時代に版画がどのように評価され、扱われていたのかを探ることである。今年度は各人がそれぞれの専門領域における調査を進め、ある程度の資料を得た。また、今年は全員がヨーロッパに海外出張を行い、現地調査を行った。 渡辺は主に16世紀の版画関連資料を収集した。フィレンツェに出張し、ウフィツィ美術館版画素描室およびドイツ美術研究所で調査にあたるとともに、版画研究者と意見交換をした。幸福は16世紀後半のリエージュの人文主義者ランプソニウスが記した版画関連の言説を特に研究し、ベルギーの図書館等で調査を行った。陳岡は主に19世紀初めにおける版画関連の言説を収集し、パリの図書館・版画館で現地調査を行った。保井はデューラーを中心に初期版画についての言説の収集に努め、アムステルダムとベルリンの版画素描館・図書館で現地調査を行った。 調査研究を通じて、作品や制作・流通といった作品の背景を浮かび上がらせることができ、版画史を理解する上で非常に有益であった。今年度の研究は、下に記す展覧会カタログおよび論文に結実している。このうち展覧会カタログ『カポディモンテ美術館展』には版画の出品作はないが、版画を参照しながら描かれた絵画や、版画の原画となる素描が含まれており、作品解説の執筆等に本研究の調査を生かすことができた。
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