ロバート・フックの『ミクログラフィア、あるいは拡大鏡による微生物の生理学的記述』(1665)を発信源とする肉眼では捉え難い微細なものを見ることのできる「顕微鏡的眼」が、18―19世紀イギリスにおいてどのように受容されたかを顕微鏡から派生した多様な言説の分析を通して明らかにした。ジェイムズ・トムソン、ウィリアム・ブレイク、シャーロット・スミス、アルフレッド・テニスン(文学)、サー・ジョシュア・レノルズ(美術史)、ジョン・ラスキン(ラファエロ前派)、フィリップ・ヘンリー・ゴス、ジョージ・ヘンリー・ルイス(博物学)らの顕微鏡的言説に時代背景を踏まえた詳細な分析をほどこし、その特徴を浮き彫りにした。
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