研究課題
1.戦後ドイツ文学におけるショアー/ナチズムの記憶の研究―Timur Vermes:Er ist wieder daにおけるヒトラー像を分析した。 Bernhart Schlink:Der Vorleserの想起における集団的記憶と身体、物語構造におけるジェンダー・セクシュアリティを考察した。2.「想起の文化」の比較研究―スペイン:内戦とフランコ体制の記憶に関わる「歴史的記憶法」(2007年)や「戦没者の谷」の意味、イスラエル:「ナクバ」の記憶と表現(教科書への記載と削除、文学・演劇・映画における表現)、アメリカ:原爆の記憶。3.日本とドイツの教育における「想起の文化」と国民意識―論文「『私たちの道徳』の「私たち」とはだれなのか?」において、日本の道徳補助教材『私たちの道徳』の歴史読み物や偉人紹介において何がどのように想起されているかを分析した上で、ドイツの歴史教科書におけるナチズムの想起(Geschichte konkret 2013年版においては「国防軍の犯罪」とロマ民族に対する迫害が加筆されている)を考察し、戦後ドイツで議論されてきた「国民意識」とはどのようなものかについて検討した。4.ドイツ植民都市の記憶研究―論文「青島・烟台をめぐるドイツ・日本・中国の文化的記憶 <I> ドイツの「模範的コロニアル都市」 チンタオ」において、ドイツ帝国が「模範的コロニアル都市」「東のベルリン」として建設したTsingtaoの都市建設とその後の想起について考察した。5.ベンヤミンにおける「ドイツ帝国」の想起―『1900年頃のベルリンの幼年時代』において幼年時代に体験した「ドイツ帝国」がどのように叙述され、ナチス期の「現在」からどのように想起されているかを考察し、第2次大戦直前のベンヤミンの歴史認識を考察した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書『文化における想起・忘却・記憶』
巻: 268 ページ: 1-12
現代思想
巻: vol42-6,4月号 ページ: 131-147