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2012 年度 実績報告書

ベンボの『俗語論』とイタリア文学語の形成

研究課題

研究課題/領域番号 22520306
研究機関京都大学

研究代表者

天野 惠  京都大学, 文学研究科, 教授 (90175927)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードイタリア文学 / ベンボ / ルネサンス / 言語問題 / 詩作法 / 『俗語論』
研究概要

本研究はルネサンス期イタリアの詩作法に関する包括的研究の第一段階として計画され、ピエトロ・ベンボの『俗語論』Prose della volgar lingua の成立過程を詳らかにすることを当面の目標とする。14世紀のトスカーナ語をモデルとすべしというベンボの理論は従来からよく知られているが、同時代の諸作品を通じて実際に大きな影響力を行使したのは、第三巻において多くの用例とともに為された具体的な指示である。そこで、草稿Vaticano Latino 3210から決定版たるTorrentino版(1549)に至る計4種のテキストを厳密に比較することによって、いわゆる《ベンボ規範》の形成プロセスを微視的に追跡することを目指した。
平成24年度においては、実施計画に沿ってまず第三巻の和訳を完成させるとともに、通称Fascicolo Bの分析により《規範》形成の開始時点を絞り込んだ。続いて、整備を終えた資料に基いてその後の《規範》形成過程を跡付けるべく作業を進めた結果、次の二点が判明した。すなわち、①段階を追って《規範》確立の流れが明確に浮かび上がるのは《前置詞+定冠詞》の結合に関する部分に限られること、②一定の重要性を持つ他のマイナーな修正点が1549年版に集中していること。
この版は著者の没後にコジモ1世の臣下であったベネデット・ヴァルキの手になるものであり、従って修正点がどこまで著者の遺志に基くものであるかに疑問が残ることから、次に、同時代人であるルドヴィーコ・カステルヴェトロによるポレミックな注釈を検討することによって最終段階におけるベンボの真の意図の洗い出しを試みる作業を進めた。これは第三巻の和訳とともに当初の研究計画には含まれていなかった作業であり、現在も継続中である。一方、第三巻の和訳は、フォントの色分けや詳細な注により、これを有用な研究資料と為すことができた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

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公開日: 2014-07-24  

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