研究概要 |
本研究は,ミエン語系の従来記述が進んでいない言語について,記述を進めるとともに,言語間比較を通してミエン語文法の過去の姿を究明しようとするものである。前者の目的については,海外研究協力者の協力と申請者の調査によって,ビャウミン語,チャウコンメン語のデータを新たに入手することができた。このデータに基づいて,Haspelmath, et. al.(2005)The World Atlas of Language Structuresの項目について,多くの項目を充填記載することができた。さらに,後者の目的については,これらのデータに基づいて,いくつかの文法項目について比較研究を行った。人称詞体系の構造,極性疑問の形成法,否定の形態素のステータス,場所表現について考察を行った。その結果,ミエン語の諸言語・方言間の文法的差異のいくつかを解明することができた。
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