徳島県の真言宗寺院の内、臨江山地藏寺(阿南市津乃峰町)伝存文献について2日間の確認調査を行い、『臨江山地藏寺所藏文献目録』(全532頁)を作成し刊行した(平成23年3月)。現在、その補訂作業を進めつつ索引(書名索引・寺名索引・人名索引)の作成を継続中である。この作業が終わり次第、目録・索引を併せてWeb上に公開する予定である。 また、同寺所藏の『孟子聞録』を取り上げて、同書に現れた言語事象と現代徳島方言に特徴的な言語事象との共通点を指摘し、江戸時代後期の徳島言葉の資料として位置付けるとともに、国語史資料として活用することのできる学習記録群開発の可能性について考察し口頭発表した(平成22年8月24日、鳴門教育大学国語教育学会)。さらにこの口頭発表を基に論文としてまとめ、紀要に発表した(平成23年3月、鳴門教育大学研究紀要第26巻)。 徳島県の第二の調査対象寺院として撰んだ宝壺山願勝寺における伝存文献調査は、平成22年10月に着手し、大学院生の協力を得て平成22年度末までに藏書の約半分の調査を終了した。平成23年度上半期に調査を完了させるべく、現在も継続中である。 香川県立図書館では、香川県における真言宗寺院の情報収集を行った。この情報を基に香川県内の調査対象寺院を選定する予定である。
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