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2011 年度 実績報告書

日本語の連文における「接続語」の理論的基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22520481
研究機関就実大学

研究代表者

岡崎 友子  就実大学, 人文科学部, 准教授 (10379216)

研究分担者 岩田 一成  広島市立大学, 国際学部, 講師 (70509067)
竹内 史郎  成城大学, 文芸学部, 准教授 (70455947)
堤 良一  岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80325068)
長谷川 哲子  関西学院大学, 経済学部, 准教授 (20368153)
松丸 真大  滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30379218)
キーワード接続語 / 指示詞 / フィラー / 連文 / 理論化 / 歴史的変遷 / 感動詞 / 方言
研究概要

本研究の2年目である平成23年度は、研究代表者・分担者全員が資料(先行研究等)及び用例の収集・記述を中心に作業をおこない、さらに2回の会議において、今後の指示詞・接続語・フィラー等の総合的な理論化を目指して、研究代表者・分担者相互に意見の交換をおこなった。
まず会議では(第1回は就実大学:平成23年9月7日、発表者は松丸真大氏・堤良一氏、第2回目は就実大学:平成24年3月1日、発表者は竹内史郎氏・岩田一成氏)、研究成果発表という形でそれぞれの意見を述べ、議論をおこなった。
なお、第1回目の発表の題目は、松丸真大氏「指示詞コノ・ソノ・アノの指示領域-高橋調査法による滋賀大学での調査から-」、堤良一氏「フィラー「アノー・(ソノー)・コーと身体動作」である。次に第2回目の発表の題目は竹内史郎氏「古代日本語の主節の無助詞名詞句-活格性との関わりから-」、岩田一成氏「裸名詞句による同一指示照応の可能性」である。
特に本年度の成果としては、指示詞系接続語(指示詞系接続語とは、指示詞「カク・サ」+助詞「テ」のような指示詞を構成要素とする接続語。今後、指示詞系の語として、フィラー・感動詞等にも応用していく)の歴史的展開について、実際の用例をもとに明らかにした点である。それは、指示詞系接続語(カクテ・サテ)の場合、指示詞として機能している段階A(接続語としてだけでなく、副詞等の働きを持つ場合がある)から、指示詞として機能する接続語の段階Bへ、そして指示詞としての機能は形式化する接続語の段階C(さらに前に言語的文脈を必要としないような接続語)へと次第に例が多くなり、最後は(指示詞としての機能はなく)接続語でもない感動詞等とし七機能するものが見られるようになるというものである。
このような歴史的な展開が、他の指示詞系の語にも応用できるかどうか、来年度以降、調査し分析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、研究代表者・分担者により、これまでの指示詞研究では明らかにできなかった指示詞の基礎的な用法の解明と、さらに先行研究ではあまり扱われてこなかった指示詞を含む語(接続語・フィラー・感動詞等、いわば指示詞の周辺的な語)の用法(及び歴史的な展開)両者について、調査・分析が予定通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

本年度(平成23年度)は国内の著書・論文等により、これまでの研究成果の公開をおこなってきた。今後の一つの目標としては、このような語の変化は日本語だけではないと考えられるため、英訳をおこない、海外にも広く公開していく予定である。
さらに先の概要にも述べたように、指示詞系接続語(カクテ・サテ)における仮説が、他の指示詞系の語(フィラー・感動詞等)でも応用できるかどうか、慎重に語を調査しながら分析を継続する。必要な場合は、仮説の修正もおこなっていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 指示詞系接続語の歴史的変化-中古の「カクテ・サテ」を中心に-2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎友子
    • 雑誌名

      日本語文法の歴史と変化(くろしお出版)

      ページ: 67-87

  • [雑誌論文] 近代語のアスペクト表現についての一考察-ツツアルを中心に-2011

    • 著者名/発表者名
      竹内史郎
    • 雑誌名

      日本語文法の歴史と変化(くろしお出版)

      ページ: 151-174

  • [学会発表] 『日本語指示詞の歴史的研究』における成果と課題について2012

    • 著者名/発表者名
      岡崎友子
    • 学会等名
      大阪大学国語国文学会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス(招待講演)
    • 年月日
      2012-01-07
  • [学会発表] 指示詞を組み合わせた語に関する歴史的一考察2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎友子
    • 学会等名
      「統計と機械学習による日本語史研究」国立国語研究所共同研究発表会
    • 発表場所
      就実大学
    • 年月日
      2011-09-02
  • [図書] 現代日本語指示詞の総合的研究2012

    • 著者名/発表者名
      堤良一
    • 総ページ数
      241
    • 出版者
      ココ出版
  • [図書] 「第5章直示と人称5.2指示代名詞・指示副詞」『シリーズ日本語史3文法史』2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎友子
    • 総ページ数
      202-217
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2013-06-26  

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