• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 研究成果報告書

宮廷工芸に関する物質文化的研究 ―生活感のある工芸史の構築をめざして―

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 22520704
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 日本史
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館

研究代表者

猪熊 兼樹  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部列品管理課, 主任研究員 (30416557)

研究期間 (年度) 2010 – 2012
キーワード物質文化 / 宮廷 / 工芸 / 有職 / 礼制 / 東アジア / 京都御所 / 葵祭 / 旧儀式図画帖 公事録
研究概要

本研究では、主に平安宮を対象とする宮廷で用いられていた建築・調度・服飾などの物質文化を対象とし、実物資料・文献史料・行事用例などの見地から調査を行なった。東京国立博物館(東博)蔵品を中心とする京都御所および公家関係の宮廷工芸とともに、装束裂集『九重の紅葉』などの標本の調査を行ない、実物資料のデータを採集した。宮廷工芸は宮廷という特殊空間において伝統的作法によって用いられたもので、その用例などは容易に理解し難いが、東博蔵『旧儀式図画帖』や宮内庁蔵『公事録』などの文献史料を検証しながら実態の把握に努めた。さらには東博蔵『春日権現験記絵』(冷泉為恭模本)などの公家階層の生活空間を描いた資料や、葵祭などの宮廷礼法を継承する行事の調査を行なうなど、多角的な調査を通じて、観念的でない実際的な分類体系を構築する基礎データを整えた。 宮廷工芸は公家階層が独特の規定や慣習に基づいて伝統的な形式を保持しながら用いてきたもので、その形式や用例については日本史的な見地からは公家階層的特徴が、東アジア史的な見地からは日本的特徴が、世界史的な見地からは東アジア的特徴が認められる。本研究では、日本の宮廷工芸の規格となる有職という宮廷礼法の知識体系が、古代中国において発達して東アジア地域に普及した礼制と密接な関係性をもつことを確認した。そして、1:礼制は儒教的秩序理念を具現するために、宮廷工芸の様式を形成する重要な役割を果たした。2:日本・中国・韓国・ベトナム・琉球の宮廷工芸には、礼制に基づく共通規格とともに、各宮廷の背景文化が反映した相異特色が見出される。の2点を東アジア宮廷工芸における理論体系として考え、東アジアの実情をふまえた物質文化研究を構築する準備を整えた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 清朝の礼制文化2012

    • 著者名/発表者名
      猪熊兼樹
    • 雑誌名

      北京故宮博物院200選、東京国立博物館図録

  • [学会発表] 日本宮廷生活文化的伝承 ―以賀茂祭為中心―2011

    • 著者名/発表者名
      猪熊兼樹
    • 学会等名
      非物質文化遺産保護「東亜経験」国際学術研討会
    • 発表場所
      四川音楽学院綿陽芸術学院(中国四川省)
    • 年月日
      20110000
  • [図書] 王朝のかたち2012

    • 著者名/発表者名
      猪熊兼樹、林美木子
    • 出版者
      淡交社

URL: 

公開日: 2014-08-29  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi