研究概要 |
研究開発投資の問題から着手した。Brander and Spencer (1983)タイプのモデル(同質財、数量競争、複占の2段階戦略的コミットメントゲーム)に相対利潤アプローチを導入し、αと研究開発投資量の関係の分析を進めた。同時に、この分析を非対称企業による競争、製品差別化市場における競争、ライセンス供与、並行輸入等の問題に拡張するために、基礎的なモデルの構築をおこない、その成果をBE Journal of Economic Analysis and Pohcy, Journal of Economics, Open Economic Reviewに発表した。 更に基本的な価格競争モデルであるBertrand Modelに関連して、相対利潤アプローチを使って研究を開始した。まず出発点として供給義務がある基本的なBertrand Modelの性質を明らかにすることに取り組んだ。その最初の成果をOperation Research Lettersに発表した。 同時に相対利潤アプローチを混合寡占及び民営化政策の問題に応用するための研究にも着手した。もっとも基本的なCournotタイプのモデルにこれを導入するとともに、複数公企業、Stackelberg Model, Endogenous Timing Model, Free Entryなどのより複雑な問題に対応するために、その前提としてこれらのモデルの基本的な性質を分析した。その成果はJournal of Economics, Manchester School, Australian Economic Papersに公刊された。 また、相対利潤最大化と企業立地、製品差別化の研究を進め、相対利潤最大化が企業集積を生み出すこと、この性質が費用格差に依存することなどを明らかにした。
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