研究課題/領域番号 |
22530658
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
渡辺 晴子 広島国際大学, 医療福祉学部, 准教授 (90326091)
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研究分担者 |
岡崎 仁史 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (20320062)
矢原 隆行 広島国際大学, 医療福祉学部, 准教授 (60333267)
八木 裕子 広島国際大学, 医療福祉学部, 講師 (60533817)
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キーワード | 地域福祉 / コミュニティワーク / ナラティヴ・アプローチ |
研究概要 |
平成23年度の研究成果として、(1)国内・国外のコミュニティワーク方法論における目的、対象、主体、方法・技術の理論的整理、(2)「自分史づくり」に参加した高齢者(語り手)および元小学生(聞き手)に対するグループインタビュー調査を実施するとともに、(3)研究対象フィールド(愛媛県今治市関前地区)における地域住民-専門機関-大学による共同・協働の地域福祉活動(コミュニティワーク)拠点の設置および運営体制づくりに取り組んだ。 (2)の「高齢者の『自分史づくり』事業をめぐる地域住民のコミュニティに対する認識・態度に関する調査」については、2001~2011年度における「自分史づくり」の直接的参加者である高齢者(2グループ、合計10人)および元小学生(2グループ、合計5人、ただし調査時においては高校1~3年生)を対象として、それぞれ約2時間のグループインタビューを実施した。現在、グループインタビューの内容を分析しているところであるが、「自分史づくり」におけるナラティヴを通して新たな人間関係が形成されること、「自分史づくり」を振り返り、語り合うことによって地域社会、自分自身および周囲の人々との関係が意味づけ直されること、新たな目標および活動が創造されること等が浮かび上がっている。 (3)の地域住民-専門機関-大学による共同・協働の地域福祉活動拠点については、実質的な地域住民の参加・参画を促進することを目標として、地域福祉活動拠点および運営組織のあり方に関する議論を三者間で実施した。既存の住民団体・組織との関係調整、新たな活動の担い手の発掘等に取り組んだ。 また、研究代表者・研究分担者・研究協力者・今治市社会福祉協議会職員で構成する「コミュニティワークとナラティヴ・アプローチ研究会(Community Work and Narrative Approach Study Group : CNS)」(定期研究会3回)を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
その理由は、「高齢者の『自分史づくり』事業をめぐる地域住民のコミュニティに対する認識・態度に関する調査」に関して、グループインタビュー調査の実施時期が2011年度後半に延期されたため、調査結果のまとめが完成していないことである。また、調査延期の理由は、関前地区内に居住していない高校生の日程調整が困難であったこと、日程調整を担当した今治市社会福祉協議会職員の異動に伴う2011年度前半の業務優先が必要であったこと等である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は研究期間の最終年度であり、(1)「高齢者の『自分史づくり』事業をめぐる地域住民のコミュニティに対する認識・態度に関する調査」結果のまとめを完成するとともに、「(2)CNS定期研究会および拡大研究会を通して「ナラティヴ・アプローチによる住民主体のコミュニティワーク方法モデル」の検討に取り組むことを計画している。また、(3)日本社会福祉学会等の関連学会における研究成果の報告、(4)研究報告書の作成を予定している。 さらに、住民参加型アクションリサーチを志向する本研究の立場において、地域福祉活動(コミュニティワーク)に対する地域住民の参加・参画を促進することを目標として、「自分史づくり」および自らが居住する地域社会をめぐるナラティヴをテーマとする住民座談会あるいはシンポジウムの開催を予定している。
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